うちの子ギフテッド?:思った理由と思わなかった理由

発達凸凹
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生まれた時から育てづらいと感じていて、発達障害グレーゾーンだと思っていた長男。
ニュージーランドに引っ越してきて、初めて医療機関を受信してみたら、ギフテッドではないかと言われた。
夫婦ともに驚くと同時に、母親である私としては、やはり、という気持ちもちょっぴりあった。

ギフテッドかもと疑っていた理由

まず大前提として、大きな声ではっきりと伝えておきたいのは、「うちの子天才!」とは全然思っていない、ということだ。
むしろ、天才ではないからこそ、その可能性を心の中で除外しようとしてきた。
それでも可能性として心の隅にあったのは、ただ1点「天才」という点以外の特性が、かなりの確率で当てはまっていると感じていたからだ。
(そしてその「天才」という1点が、世間の大部分の人にとっては唯一にして最大の、ギフテッドの特性だろう!以前の私ももちろんそうだったし!)
天才ではなくなんなのかというと、「ちょっと頭の良い面白いこども」だ。ものすごくたくさんの面倒臭い特性がくっついているちょっと頭の良い子。
ギフテッド児には5種類のOEと呼ばれる生きづらさの元となるような特性が、しばしば見られる。
(詳細説明は長くなるので割愛。いつか書く。)
また、2E(Twice Exceptional)と呼ばれ、ギフテッドと発達障害(ADHDやASD等)を併せ持っている人も多い。
幼い頃から親にとっての困りごとと感じている様々な特性が、これらOEや2Eに非常に近いと感じていたので、一応、私の中ではギフテッドという可能性は小さくリストの一番下に入っていた。
(あと、「天才って、一体なんだ?」という根源的な疑問も当然あるし。)

ギフテッドじゃないと思っていた理由

たまたまなのだが、ごく親しい友人の一人にギフテッド児を持つママがいる。(実はそのママ自身も、ギフテッドもしくは2Eじゃないかと、私は密かに思っているのだが)
そしてその子は、絵に描いたようなハイリーギフテッド児なのだ。
とにかく学ぶのが大好きで、スーパー賢いのに他人の評価や試験の成績なんて全く気にもとめず、どんなに小さなことでも科学や数学などについて人に尋ねられると「この美しい世界を君と分かち合いたい!」というピュアすぎる気持ちで全力で説明してくれる。
数学のコンペに出ればアジア代表まで勝ち進み、ロボットコンペに出れば大学生を差し置いて優勝(本人中学3年生時)。
争いを嫌い、空手を嗜み、好きなことを学んでさえいれば至福。
しかもイケメン。←関係ない
これぞギフテッド!としか言えないもう。

そんな子が身近にいるから、なんちゃらレンジャーに夢中でお尻ぺんぺんしているうちの息子なんて、どう考えても同じ種類の香りはしてこないのだ。
まあ、親の贔屓目を置いておいたとしても、長男は利発な方だとは思う。
平仮名カタカナ足し算引き算掛け算割り算まで、一度もちゃんと教えてないのにいつの間にか覚えていた。請われるがままに一覧表をトイレとお風呂に貼り、いくつかドリルを買って置いておいただけだ。強いて言えば親ではなくYoutubeが彼の先生だろう。
でもそれって、ちょっと頭の良い5、6歳児ならできちゃうレベルだって、知ってる。
なんなら、私自身や私の弟も、絵本を自力でスラスラと読むのは、長男より早かったと思う。
それに、ネットで見るギフテッドちゃんたちはみんな華々しくて、5歳で因数分解マスター!とか、6歳で古代メソポタミア語をマスター!とか。
すごいよみんな!それはギフテッドだって気付くしかないよ!
それに比べれば…。

だからまあ、ちょっと賢い方かもしれないけど、天才(=ギフテッド)ではないんだよなー、と思っていた。
(現在は、様々なタイプのギフテッドがいることを理解しています!)

発達障害と思えなかった理由

発達障害じゃないんじゃ?と思った一番大きな理由は、保育園や学校では特性を全く出さず、先生方も全く何も気づいていなかった点だ。
「外で良い子にして、家でいうことを聞けなくなるのは、おうちが安心できる場所だということです。ポジティブに捉えましょう。」
と言われるが、もしもそれが発達障害であったなら、ある決まった環境では完全に封印なんて、幼児に可能なのだろうか?(←後にお医者さんに可能ですと言われて価値観再構築となったけど)
一番疑っていたのはADHDだったけれど、学校では完全に封印できているADHDなんて、ネットで調べても出てこなかった。(調査能力未熟のせいかも)
というか、封印できないからこそADHDなんだと思っていた。

あとは、脳に刺激を与えると多動がおさまる点も、腑に落ちなかった理由の一つ。
前述したギフテッド児ママが、エスパーかと疑うほどに、とにかく子どもの本質を見抜くのが得意な人なのだが、彼女が歯磨きもまともに出来ないほどじっと出来ない長男を見て、
「あはは。退屈してるんだねー。脳が刺激を欲しがってるから、算数の問題でも出しとけば?」
とアドバイスをもらったことがある。
本当に?と思いつつ、実践してみると、びっくり!計算中は、ピシッと体が止まってるー!!
これを聞くと、「ASDの子はセンサリートイをにぎにぎしたり、一定のリズムでの刺激があると心が落ち着く」とかに近いのかな、と思うが、一定のリズムや定まった刺激には、特に喜びを感じている風はなかった。単純というよりは複雑な刺激を求めているし、小さな頃から目も会うし、発語も早かったし、むしろ感情的だし。ASDとも違う気がするんだよ。
なんかしっくりこないなあ。グレーゾーンってやつかなあ、と思っていた。

誤診が繰り返される発達障害とギフテッド

調べてみると、とにかく誤診の多い発達障害とギフテッド。
そもそも「ギフテッド」に関しては医療用語ではないから「ギフテッドという誤診」はないのかもしれないが、その逆、「ギフテッドなのに発達障害とされる誤診」はとても多いそうだ。
ギフテッド教育の先駆者であるアメリカでさえ(というかアメリカだから?)、非常に多いとも言われている。
『ギフティッド その誤診と重複診断: 心理・医療・教育の現場から』J. T. ウェブ (著), 
という本は、あまりにも有名で日本語にも翻訳された著書だ。

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ちなみに、ニュージーランドには、ギフテッドに関わる専門家のためのgiftEDnz (the New Zealand Professional Association for Gifted Education) という団体があるのだが、そこが出版している冊子『Identifying Giftedness in the Diagnostic Process』にも、非常に明確にOE特性と発達障害特性との違いや診断において気をつけることなどが記されていて、一般の教育者(普通級の教師など?)にもとても分かりやすいと感じた。

Identifying Giftedness in the Diagnostic Process』より抜粋

この「誤診について」などは、これまた非常に根深い問題なので、これもいつか、きちんと系統だてて調べてみたいと思っている。

ニューロダイバーシティー(多様な脳)という概念

というわけで、非常に微妙な特性でいっぱいの長男だけれども、NZのお医者様は初診後に、可能性のあるものリストの最後に「ニューロダイバーシティー Neuro Diversity」とかき、この概念について、少し調べてみるようにと促された。

調べてみると、一人一人の脳の働き方や発達の仕方が、今まで私たちが考えていたよりもずっと複雑で多様なスタイルを持っていることが判明してきており、カテゴライズをするよりも、「みんな(脳が)違って、みんな良い」ということを目指そう、という考え方であるらしい。
確かに、かつては「自閉症」「アスペルガー」などと境界線を引いてきたものが、最近は「自閉症スペクトラム」となり、とにかく間口を広くとり、その中での多様性を認めていく方向になってきていると感じている。これをさらにもう一歩推し進めたものが「ニューロダイバーシティー」なるものなのだろう。

こういった考え方がもっともっと広まって、ユニークな子どもを受け入れる社会や学校になっていってほしいと、心から思う!
ニューロダイバーシティー、とっても大切なので、いずれこれについても深いリサーチをして記事を書きたいよー。

おまけ1(絵本を作った)

色々と調べていくうちに、本人が特性と向き合っていくことがとても大切と気づいてきた。
年齢が上がるにつれて、親がコントロールできる部分もどんどん減っていくし、行き場のない感情の爆発に本人自身が戸惑っていることも見られるようになってきたからだ。
本人にどうやって伝えるか、また甚大な影響を受け続ける次男にどう伝えるか、考えた挙句、絵本を作ることにしたら、想像以上に本人が喜んでくれたり、時々この絵本を見ながら特性について話し合ったりと、今のところ活躍してくれている!

絵本を作ることになったきっかけなどの詳細は、こちらの記事:息子を紹介する絵本を作ってみた!『ぼくのなまえはルーミー:ニューロダイバースなぼくのはなし』に書いてます!

おまけ2(子どものことが分かりすぎる友人)

ちなみに、上述のギフママ(ギフテッド児ママ)がどれくらい神がかっているかと言うと、公園で子供を一緒に遊ばせて私とおしゃべりをしている間になぜか長男がくだらないことで泣き始め、私もわけが分からずやれやれと思うのだが、彼女だけはケロッと
「あ、さっきね、あの滑り台のところであの子が順番抜かししたのに、長男くん何も言わずにぐっと我慢してたの、でも今また同じ子が後ろから突いてきたから、さっきのもやっとした気持ちが爆発しちゃったんだよね。うんうん、さっきよく頑張ったよねー。」
とか言っちゃうくらい。
彼女、ずっと私と、お弁当食べながらおしゃべりしてたのに!
子供が複数人いても、どの子が今、どんな気持ちを抱えてどんな行動を取ってるか、手にとるように理解しながら観察して面白がってる感じ。
「なんでそんなの気付けるのー???」と聞いても「え????な、なんか気になるから観察しちゃうんだよ子ども達。」と言うことらしい。
ちなみに、家で問題を抱えている子とかも霊視レベルで一発で見抜いちゃうから凄すぎて震える。
少なくともこの能力は、間違いなく彼女が受け取った「ギフト」だと私は思ってる。

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上記の本とともに、ギフママたちが絶対読む本はこちら。
(私は、悩んだ挙句、英語で読むのを諦めて日本から届くのを待っている…。)
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日本にいた頃から気になっていたLITALICOの、ものづくり教室。
プログラミング、ロボット、3Dという気になるキーワード万歳。発達障害のポータルサイト「LITALICOナビ」や、発達障害児支援「LITALICOジュニア」なども運営している会社なので、ギフテッドや2Eへの理解も深そう。
チームラボの猪子さんが「こんな場があるなんて今の子が羨ましい」と言ってる気持ち、激しく同感。
帰国したら、無料体験授業にぜひ行きたい!
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ちゃんと機械が入っていてプログラミング出来るのに、外側が段ボールっていうのが、めっちゃツボの、段ボールロボットembot。
息子はレゴのロボットをプログラミングで動かすのも大好きだったけど、紙、ハサミ、テープでなんでも作っちゃうクラフト好きでもあるから、この組み合わせはたまらん。
手や指を使ってアイデアを形にしていくのは全ての基本だもんね。
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読字障害のためのトレーニングゲームアプリが、ニンテンドースイッチでできちゃうのだそうです。すごいな。テクノロジーが子どもの問題をどんどん解決していく時代、カモン!
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