私たちが住んでいる街は、観光地として有名な大自然の中にある。
周囲にはスキー場が点在しているので、Year3(3年生)からは学校でスキーの授業がある。
息子はYear1なので、スキーの代わりに週に1回、アイススケートの授業があるのだが、それがまた、ニュージーランドらしく大らかで微笑ましかったので、ご紹介。
スキーウエアを着てタクシーに
当日の持ち物はスキーウエア。
特にこの年齢の子達はツルンツルンと転びまくるので、スキーパンツは必須だ。ヘルメットは持参でも良いし、なければスケート場で貸してくれる。
ランチを食べ終わると、教室でスキーパンツに着替え、呼んであったタクシーで出発。
数名の保護者がヘルパーで入っているので、1台につき1名の大人が同乗する。タクシーと言っても大型バン?なので、8名くらいは乗っているのかな。1クラスが3台くらいに分乗していた気がする。
スケート場までは、タクシーで5分程度。時間さえあれば、歩いても行ける距離だ。
ちなみに、この時点で子供たちの手の甲には、スケート靴のサイズがマジックで書かれている。
みんな忘れてしまうので、先生がマジックで書いてくれるのだ。可愛い。
保護者が手伝ってスケート靴を履かせる
スケートリンクに到着すると、貸靴カウンターに行き、スタッフに手の甲を見せると、靴を出してくれる。それを持って更衣室に行くと、ヘルプの保護者たちが待っていて、靴紐を結ぶのを手伝ってくれる。
ちなみにこのヘルパー達はオンラインで募集され、参加可能な人はオンラインのスプレッドシート上に自分で名前を書き込む形だ。至って合理的でお手軽。
我が家からは、心配性の夫が数回参加。私は下の子がいるので、何回か次男を連れて覗きに行ったけれど、お手伝いとしての参加はしていない。
靴を履いたら、さあご自由に!
靴を履いたら、スケートリンクに行って、解き放たれる。
ただそれだけ。
息子によると、転んだ時の立ち方のみ、片膝を立て片足ずつ立ち上がる、と教えてもらったそうだ。
滑り方についてのレクチャーとか、一切ない。うひゃ。
すごい!自主性ってこういうことを言うのね!!
見にいくと、みんなロボットみたいに両手両足をシャカシャカ前後に動かすものの、ツルツル滑って前に進めず、時々つるんと滑って転ぶ。
みんな転ぶので、ゲラゲラ笑い合う。
ガシガシ歩こうとするので、氷がガリガリと削れて、白いかき氷状のフレークが氷面にできる。
早速それを両手で集めて友達に投げ合う。
ゲラゲラ笑い合う。
疲れたのか、氷の上に寝そべってスノーエンジェルをしている子もいる。
息子も、時々疲れるのか、氷の上にぺたりとお尻をついてぼうっとしている。
しかしすぐに立ち上がって、また滑り、転び、ゲラゲラ笑う。
やがて、コーチ?らしき若いお兄さんやお姉さん達が、氷上にカラフルなボールをぶちまける。
リンクの4隅に、バケツが置かれる。
子どもたちは興奮し、競ってボールを拾っては、バケツの中に戻していく。
バケツの中にボールが溜まると、コーチがまた、中身をぶちまける。
子どもたちは再び、ゲラゲラ笑いながら我先にボールを…。
ふ、不毛…と思うのは、大人の私の心が汚れているからかな。
子どもたち、無心に楽しそう。
大らかだなあ〜。
学期の終わりには、滑れるようになっている不思議
いや別に、不思議でもないのかもしれないけれど、こんなことを毎週やっていたら、学期の終わりにはみんなスイスイと滑れるようになっているのだ。
もちろん、片足ですい〜ってほどではないのだが、誰も氷を怖がったりしないし、行きたい場所に行けるという自信を持って、動いている。
子供の力ってすごいなと思う。
夏のスイミングの時も思ったのだが、こちらの学校のアクティビティって、私の通った日本の学校と比べて、待ち時間が圧倒的に短い。
とにかくどんどん体を使って、try & error を体験させる。
そう、体験なのだ。
とにかく体験して、こういうものだと知る。嫌いにならない。恐れなくて良いことを知る。
そこからさらに進みたい子がいた時には、学校や保護者が深めるための選択肢を探して差し出す。
体験ってそういうことだ。
ギフテッド児とも相性の良い「とにかくやってみる」という指導法
また、とにかくやってみる、という手法は、ギフテッド児とも、とても相性が良い気がする。
よく言われる「とにかく数回やってみることで、本質的な仕組みを覚え、教えられなくても学ぶ」という特性に加え、「知りたいと思う気持ちが強くて待つのが苦痛」であったり、「待つ時間が長いと絶望的に退屈し、興味を失う」みたいな部分もある気がするからだ。
ともあれ、ギフテッドに関わらず、好奇心の強い子供時代、なんちゃらかんちゃらとうんちくを並べるよりも「なにこれやりたい!」と瞳を輝かせているうちにじゃんじゃかやらせちゃえ、と、単純に思うしね。
自分の子供時代と比べて
私はといえば、子供の頃、学校のプールが嫌いだった。
先生の注意を聞いたり、説明を聞いたり、少人数ずつ順番に泳ぐので自分の番を待ったり。とにかくブルブル震えながら膝を抱えていた思い出しかない。
夏の怪談みたいに、じわりと鳥肌立つみたいな雰囲気しか思い出せない(暗いっ!)、あの暗〜い時間は一体なんだったんだろう?
息子は、ニュージーランドの学校でスイミングをじゃんじゃかやって、アイススケートをじゃんじゃかやって、泳ぎもスケートも、上手ではないけれど、とにかく大好きになった。
いっぱい体を動かして、いっぱい失敗して、友達とふざけ合って、キラキラと楽しい思い出でいっぱいだ。なんだか羨ましいよ。
日本の先生が悪いとは思わない。日本の先生たちは、「責任」「安全第一」という言葉にがんじがらめになり、「リスクをとってみんなで育もう」と踏み出せないのだから仕方ない。
心ある現場の先生たちも、さぞややるせない気持ちでいることも多いだろうと、思う。
先日、ニュージーランドで「遊び時間のルールをとっぱらった学校」とかいう動画を見たら、子供たちはたかーい木にじゃんじゃか登ったり、木材置き場を裸足で歩いたり、我が子がやっていたら親が青くなりそうな場面が目白押しだったが、子供たちの表情は本当に伸び伸びしていた。
そして、公立学校でのこの決断は、ニュージーランドだから出来るのだな、とも思った。息子の学校も、大体この動画の感じだ。
おそらく日本では、公立の学校の1校長先生の独断でこういうことをするのは、すごく大変だろうと思う。
(ものすごく頑張っているパワフルな校長先生方が最近は出てらして、もちろん希望もいっぱいだけれど!)
社会全体にこういうポジティブなリスクの取り方の考え方が溢れ、自主的なリスク管理が子どもを育てると理解し、よほどのことでもない限り子供の怪我にめくじらを立てないと、親が強く強く決意しないといけない。さもないと、特定の理念を持つものすごく高額な私立の学校に、お金を払ってリスクを体験しに行くしかない、ということになってしまうのだな。
と、思ったりします。
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ロックダウン中、美味しいものが食べたくて震える。
飲茶食べたい、飲茶。
今年の父の日は、大好きな横浜の聘珍楼の飲茶セットと、紹興酒の飲み比べセットを送りました。
自分が食べたかったから…。
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