ママの姿は緊張が解けるトリガー

NZ教育
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冬になり、今年もまた、アイススケートの時期になった。
長男の学校では、この時期になると学校でアイススケートのレッスンを開催してくれる。

滑るのがすごく上手になってきたから、ママ見にきて!というリクエストに答えて、今日は夫と2人で見学を兼ねてボランティアヘルプに行ったのだが、ママの姿を見ると長男の緊張が解けてしまうということがよく分かる出来事があった。

他の子を手伝っているのが気に入らない

長男に観に来て!と頼まれたので、夫婦でヘルプに行くことにした。
6歳と7歳の子供たち。
まだ自分ではスケート靴を履けないので、毎回保護者がボランティアでヘルプに入る。

子供たちはカウンターに並んで自分の靴のサイズを伝え(担任があらかじめ手の甲に、マジックでサイズを書いておいてくれる!)、スケート靴を受け取る。
靴を履く別室があるので、靴を受け取ったらそこに行って履き替え、ヘルメットをかぶってリンクに集合、という手順だ。

私は一足先に準備室に行き、子供たちが来るのを待っていた。
わらわらと子供たちが入ってきて、私に向かって「手伝ってー」と声をかけてくる。
はーい!と返事をして、来た順に靴紐を結んでいたら、息子が入ってきた。
私が他の子供の手伝いをしているのを観た途端に、さっと顔が曇った。

「マーマ、手伝って!!」
機嫌の悪そうな声で怒鳴る。

「来た順にやってるからね。すぐ行くから、ちょっと待ってねー。」
と、にこやかに返事をすると、さらに悪化。

「僕の方が先に来てたよ。来てたの!早くして!僕が先!」
と言って、履いてたスニーカーを脱いで私に投げつけてきた。
もう涙が出ていて、隣にいた子がびっくりしている。
もちろん、息子は今来たばかりで、隣の子はさっきから待っていたのだ。

これはやばいな、しかし我が子だけエコひいきするのもな、と困っている最中も、息子は私の服を引っ張ってくる。
と、ちょうど夫が近くに来たので、ちょっとお願い!と、今やっている最中の子を頼んで、長男の靴に取りかかった。

むすっとしながら、静かになる息子。
結び終わると、目をゴシゴシしながら黙ってスケートリンクに走っていった。

その後ろ姿を見ながら、夫とため息をついた。
これもきっと、特性なんだな。

先週は夫が1人でヘルプに来ていたのだが、全然大丈夫だったらしい。

ママの顔を見ると緊張が緩んでしまう

前から思っていたが、彼の中では、ママの姿を見ることが、緊張の解けるトリガーだ。
学校ではマスキングをしている彼。
無意識だろうが、頑張って緊張して、過ごしているに違いないと思っている。
だから、アフタースクールメルトダウンと呼ばれる症状が出てくるのだ。

アフタースクールメルトダウンが出るタイミングは、家に着いた時ではない。
ママやパパの顔を見た時だ。
保育園でも、教室に入って私の顔を見た途端、骨が溶けてなくなるようにぐにゃぐにゃになっていた。
今でも、お迎えで顔を見た途端にぐるぐる回転したり、足にまとわりついたりが始まる。

とりわけママの顔、というのは強力なようで、イベントの参観なんかの時は、パパだけが見に行った時は、別れ際(参観が終了して親だけ先に帰るとき)でも大丈夫なのに、私が行くと、帰り際にツーッと涙が出てきたりしちゃうのだ。

また、私はもともとダンサーだったので、時々夫が子どもを連れてショーを見にきてくれることがあったのだが、ステージの上の私を見た途端に大号泣して「ママー!!」と泣き叫ぶので、結局見にくることもなくなった。
当時は、一緒にいる時間が足りてないのかなあと悩んだものだったが、思えば、顔を見た途端に緊張の糸が切れて、わあっと抱きつきたいのに抱きつけないストレスだったんだろうなあと思う。

緊張の強さを思う

幼児期に、ママの顔を見た途端に気持ちが緩んで甘えん坊になってしまうのは、至って普通なのだと思うが、長男のそれは、次男と比べても他の定型児と比べても、やはり強いな、と思う。
それだけ愛着を持ってくれているのを感じると、可愛いと思う一方、とにかく重い…。
身動きが取れない…と感じるときもある。
(発達凸凹さん、あるあるだと思う)

と同時に、彼の日頃抱えているものの重さも想像するのだ。
甘えが大きいのではない。
きっと、不安が大きいのだ。


感覚過敏からくる、光や音のストレス。
ずっと我慢して隠している感覚探求。
考えすぎてしまう癖。
なんでも完璧に、人より上手に出来ていたいという強い欲求。
逆に、出来なかったときの羞恥心の大きさ。
コントロールに甚大な労力を要する、激しい感情。


想像できないくらい大きなストレスを、あの小さな体の中に、抱えているんだろうなあ。

涙をポロポロこぼしながら、私を叩いてくる長男の顔を思い出しながら、なんだか切なくなるのだ。

レッスンの最後には、音楽が流れライトがピカピカする、ディスコタイムがある。
楽しそうにしてるけど、感覚過敏的には、めっちゃ疲れているだろうなー。

おまけ

長男の通う小学校では、冬になるとyear1と2はアイススケート、year3からはスキーのレッスンが行われる。
せっかくスキー場の近いエリアに住んでいるので、出来ればスキーが出来る様になって欲しかったので、year3良いなーと思っていたのだが、コロナ禍で学校への寄付金が減ったらしく、今年からスキーレッスンは選択制(各家庭で決める。自費)になったらしい。

日本だったら、そういう時は全員中止にするんだろうなと思うけど、お金ない子は自己責任でキャンセルしてねって、ニュージーランドらしいさっぱりさだ。
しかし世知辛いな…。

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