ニューロダイバース児サポートNPO

NZ教育
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なんかうちの子育てづらい。
でも発達検査では問題ないって言われる。
誰に相談すれば良いの?

そんな気持ちでずっと子育てをしてきたわけだが、SNSを使い始めて、そういう仲間がたくさんいることがわかってきた今日この頃。
しかし欲しいのはやはり、実際に会って話ができる相手。
そんな人々のための拠り所が、やっと地元に設立されたというので、夫とふたり、開催された相談会に行ってみた。

Pivotal Point

Pivotal Pointという名前のNPO。
設立したのはLisa Leftley。彼女自身がニューロダイバース児(2E) の母親だ。
会ってみると、すらりとした明るい美人。
いかにも仕事できそう!という感じでもある。

自分が育て辛い子どもの育児をしていく中で

  • どこに相談すれば良いのか分からない
  • 適正な相談期間がない
  • そもそもサポートがあるのかないのかが分からない
  • あるとしたら一体どこに?
  • いくべき場所が見つかったと思うと高額で支払いが困難

ということを強く感じ、似たような境遇の保護者たちのために、このNPOを設立することにしたそう。
パンフレットに書かれているビジョンとミッションはシンプルにして力強い。


VISION
全ての子どもが、家庭の経済的状況に関わらず、学びの可能性を最大化するサポートを、通っている学校環境の中で受けられるようにする。

MISSION
全ての子どもの保護者が、あらゆる面でのサポートを受けられるように力添えする。


まだまだスタートしたばかりだけれど、これから地域に根付いていくことを目指していると、キラキラした瞳で語ってくれた。

お金の重要性

本当にそうなのだ!
お金!お金かかるのだ!

医療機関での相談、検査、セラピーはもとより。
感覚過敏により、買ったけど着れない服、作っても食べない食事、レストランで注文したけど残す食べ物、匂いがダメだと無駄になるシャンプーや石鹸などエトセトラ。
旅行やイベントのチケットも、当日朝にメルトダウンが起きれば無駄になることもある。
脳への刺激を追求し続けるギフテッドであれば、書籍、ワーク、ドリル、知育玩具、実験材料、クラフト材料から、各種習い事からアプリ課金などなど、際限なくお金かかるし。
マジョリティとは異なる脳ゆえに、既存の教育システムと相性が悪ければ、居場所を探して学校さえも転々としなければならない。公立ではない教育施設を転々とするたびにかかるのは、授業料だけではなく選考費、入学金、施設費、制服や教材費諸々だ。
それだけでも大変な上に、2次障害を患って心を病んでいたりすれば、母親が家を空けること自体が難しくなり収入の道さえも閉ざされがちとなる。

か、書いているだけで目眩がしそう…。
(幸いにも我が家ではまだ上記の半分も経験していないが、明日は我が身としか思えないリアル)

というわけで、Pivotal Pointのミッションとして、
「家庭の経済状況に関わらず」
サポートが受けられる、という点は、とても大切だと思う。

そしてもうひとつ大切だなと思ったのが
「学校環境の中という点だ

公教育で完結させるということ

「全てのサポートが公教育の中で完結する」のがなぜ大切かというと、いわゆる「親ガチャ」への依存度を限りなく低くできるからだと思う。

SNSで出会うニューロダイバース保護者のみなさんは、子どもの生きづらさを共に抱え、苦しみ、子のために何ができるのかを本気で考え、悩み、試行錯誤を繰り返してヘトヘトになっている人ばかり。
とにかく子供に全力で寄り添っている

しかし、実際にはそうでない保護者だって当然存在するわけで。
親自身が問題を抱えている場合(心身を病んでいたり、貧困を抱えていたり)、子どもの問題に気づけなかったり、後回しになってしまったりするだろうし。
単に知識、経験、余裕のなさから、子供が困っていること自体を見抜けない場合もあるだろう。
家庭がそういう状況だった場合、全ての子供に公平にチャンスがあるとすれば、学校が気づきサポートするシステムなのだ。

だから、「保護者が駆け込める場所」だけでなく、「保護者が必死にならなくとも、学校が主体となって取り組むことのできるサポートシステム」も必要というは、ものすごくよく理解できる。

こういうのが欲しかった!

相談会に話を戻そう。

会場にはLisaの他、女性スタッフが4名とセラピストだという男性が1名。
聞けば全員が、直接もしくは間接的にニューロダイバース児との個人的な関わりがあるとのこと。
だから当然ながら、話の聞き方も親身になるし、お互いの体験を交えながら「こういう時いつもどうしてる?」みたいな話にもなる。

スタッフの中に、7歳と10歳のお嬢さんがいらして、ふたりともニューロダイバースという女性がいらした。
昨年はMind Plusに通わせていたが、今年は無くなってしまった(私たちは参加者不足と聞かされたが、どうやら他の大人の事情だったらしい!)ので、上のお子さんは、我が家と同様、週1で民間塾のThe Academy at Kipに。下のお嬢さんはこれまた週1でWild Schoolに通わせているそう。

このお母さんは、KipもWild Schoolも絶賛していたが、やはり経済的には大変だそうで、大変よねーと共感し合った。
(確かに両方通わせると1回2万円くらいなので、月に4回だと8万円くらいになる!)

話している間、
そうそう、こういう感じで話したかったんだよね!!
と思った。

今回、まだ設立したばかりということで、おそらく周知もきちんとされていなくて、相談に訪れていたのは私たちのみ。私たち夫婦をスタッフがぐるりと囲んでの井戸端会議であった。

ここで話してみて、特に新しく得た情報があったかというと疑問だが、「Wild Schoolがとても良い!」という話を聞けたことと、「私たちがこれまでに集めた情報が、このエリアで得られるほぼ全ての情報ということで良いらしい」ということは、だいたいわかった。(残念ながら)

しかし、これだけのリサーチをするのに私たちは1年半かかったので、これからこの情報を探し始める人々にとっては、どれだけありがたいことであろう!
そして、似た境遇の人々と雑談をする機会の貴重さよ!

こういうお仕事したいなあ

長男について色々調べ始めて以来、このエネルギーを少しでも息子以外の社会に還元できないだろうかと、ずっと考えていた。
このブログもそうだし、SNSもそうだ。
作った絵本をKindleに上げてみたのも、誰かの助けになればという気持ちがあったから。
(もちろん、アウトプットすることで自分の精神状態やモチベーションを良好な状態に保てるというのも)

専門家は専門機関に存在して下さっていて大変ありがたいのだが、どんな専門家がどこにいて、今自分に必要なのはどの専門家なのか、全体のロードマップを見せてくれる存在が欲しい。
そしてこれまでの所、私たちの住むエリアにおいては、学校、自治体、民間団体ともに、それをやってくれる人はいなかった。
日本においても、例えば学校や市役所で支援センターを紹介してくれるようなことがあっても、公的機関から民間のクリニックまで含め、その内容、質、料金、待ち時間、評判などに渡って、公平な立場で比較して提示してくれるところは、滅多に存在しないのではないだろうか。

民間のNPOに当事者たちが集まっていれば、そういった情報を積み上げていくことが可能だ。
各地域にひとつ、そういう相談期間があれば、どれだけ心強いか。

Pivotal Pointにとって、今後の課題は資金集めとなっていくだろう。
現時点で寄付も集めているが、物価と人件費の急激な高騰が起こっているこの国で、どれだけお金を集められるのか心配もある。
けれども、パワフルな彼女たちが、これからどのように支援の手を広げていけるのか、とても楽しみでもある。

今は国を跨いだジプシー生活を送っている私だが、いつか定住する時が来たら、その土地で彼女たちのような仕事をしてみたいな、と、漠然と思った。

っていうか、ここにもう少し住む予定があれば、是非ともお手伝いしてみたかったよ!

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うちの息子、こんな子です😊
絵本を作ったので、よろしければ読んでレビューなど書いていただけますと、似たようなお子様をお持ちで悩んでいる保護者の方に届きやすくなるかと思います。
(Kindle Unlimitedにも入っています)

帰国したら弟の結婚式があるので息子たちの服装など検討し始めたら、日本は安くて可愛い服がいっぱいあって、めっちゃ楽しい!
眠っていた物欲がむくむくと戻ってきて、やばい…。

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