突出した才能の子に学習支援

NZ教育
スポンサーリンク

SNSのあちこちに流れてきて盛り上がっているのがこちら。
突出した才能の子に学習支援 授業中の苦痛や孤立解消―文科省
のニュース。
色々と思うところあったので、思ったことを記録。

突出した才能の子の学習支援とは

記事によると

  • 特定分野で突出した才能を持つ児童生徒の支援事業費の予算を請求
  • 学校の授業が優しすぎて苦痛に感じている子を支援
  • 特定の強化だけ別室で、高度なオンライン講義、大学やNPOと繋げる等
  • モデル校に助成して支援ノウハウを蓄積
  • エリート育成ではない。IQで選別せず、教師からの推薦などで柔軟に選ぶ
  • 「ギフテッド」という言葉も使わない

とのこと。
個人的には
「不安部分もあるが、全体的に抽象的な分、柔軟に対応できる余地が残されていて、適切な人材さえいれば、これで救われる子ども、伸びる子はいるだろうな」
と、ポジティブに捉えている。
が、SNSを見ると、選抜方法に疑問を感じる人が多かった印象。

取り出し型の選抜方法と、選抜する意味

選抜方法に不安を感じる人が多いのは、アメリカをはじめとする多くの国の「ギフテッド教育」の選考基準がIQ重視であり、まずは全体のIQテストでふるいにかけられることが広く知られているからだろうと思う。

「突然、学校から連絡あり、あなたのお子さんは高IQなので、正式な検査を受け、認定されたらギフテッドコースに入ってもらいます」

と言われた話を、ネットでよく見かける。
そして、アメリカのギフテッド教育はあくまでも「学びのサポート」であり、ギフテッド特有のOEや発達凸凹による困り感など、精神性、社会性へのサポートは含まれていないことが多いと聞く。
そして、そんなアメリカのギフテッド教育が、ある意味行き詰まっており、全体のトレンドとしては、IQによる選抜型からインクルーシブ型へと移行してきていると感じているのは、私だけはないだろう。

ニュージーランドにおけるギフテッド教育は、現場ではまだまだ確立されていないのが実情だけれども、政府としての方針は明確だ。
「すべての子どもが自分のレベルに合った適切な学びを、安心安全と感じられる環境で得る権利をもつ」
ことが基本にあるからだ。
なので通常、ギフテッド教育はメンタル面のサポートとセットで考えられる。
現場レベルでそれが実現されているかと言われれば、決してそんなことはないのだけれど、見つめている先が一つであることの力強さよ、とは思う。

我が家のニューロダイバースな長男が初めて発達についての診察を医師から受けた時
「ギフテッドもしくはギフテッドを含む2Eの疑いが濃厚です。しかし、日本から引っ越してきたばかりで言語が微妙なことと、5歳半という年齢を考えると正式な診断はもう少し待つことをお勧めします。この国では、正式な診断がないと受けられないギフテッド児のための支援や機関は一つもないので、とりあえず今のままで、繋がれる支援、場所、人を探してみてください。」
と言われた。

正式な診断が必要ないと言われて驚いたけれど、正式な診断を受けるハードル(高額な検査費用、検査できる専門家の不足、それに伴う長い待ち時間等)を知るにつれ、なるほどとも思った。
公立学校で行うGATEプログラム、Mind Plusというギフテッド児専門のワンデースクール、AGE Schoolというギフテッド児専門の学校、など。
そのどれもが、保護者や学校の先生からの問診、話し合いによって申請、決定されている。

考えてみれば当然の話だとも思う。
なぜなら「その子に合った教育方法を探す」のが目的だからだ。

ただ一つの素晴らしい教育法があり、それさえ受ければ全ての子どもの才能が開花するなんて、あり得ない。
支援機関は「そこで可能なサポート」を提示「その子のニーズ」に合っているかどうかを調整するのだ。良い悪いではないし、レベルの高低ではない。
マッチングの問題だ。

Mind Plusのワンデースクール(週に1回学校を休んで通うギフテッドコース)に申請していた時に、繰り返し言われたことが「もしもこのコースがあなたの子供のニーズにマッチしているなら」始めましょう、という言葉だ。
テストにパスしたら、とか、ある一定のレベルに達しているなら、ということではないのだ。
このコースに通うことで、この子の学習環境はより良くなるかよりハッピーになるか、が全ての焦点だった。どんなに頭の良い子だって、このコースが提供できるものにニーズがマッチしてなければ意味がないのだ。

提示されたのは一つ目の選択肢

なので、今回の文科省からの提案としても
やっと一つ目のオプションが提示されたんだな。少なくとも動き始めたんだ、これはめでたい!」
というのが私の感想だった。

「モデル校に助成して支援ノウハウを蓄積する」とあるのも、スタートとしては至極納得で、初めはモデル校と幅を狭めることで、専門知識のある人を的確に送り込むことができるし、専門知識をもとに、教員、保護者から、もしやと思う児童を幅広く募ってみてみれば良いと思う。
IQという形では表面に出ない才能がある以上、IQを「絶対条件」にするのだけは避けるべきだと思うけれど、保護者が自ら検査したWISCの検査を持参してきて、それをもとに話を進めるのがスムーズと思えば、それも一つの道として取り入れれば良い話だ。

その上で、どのレベルまで高度なものが必要なのか、先に進めば良いのか、深く掘る方が良いのか。
教科という枠組みで捉えられない才能なら、どう発掘し、抱きとめて、支援していけるのか。
ひとりひとりのニーズが全くバラバラなのか、ある程度傾向が合って小グループにできる落とし所があるのか、などなど。
記事にある通り、未来の浮きこぼれっこたちのために、どんどん事例を積み上げていってくれれば良いと思う。

全ての子どもを掬い上げるのはまだ無理だ。
最終的にはそこを目指すべきだけれども、現状の「浮きこぼれ」ている子供の多さを考えると、まずは「一人でも多く」の子どもを掬い上げるところから手をつけるしかないだろう。
今うきこぼれている子たちの半分でも掬い上げることができたら、そこからまた、違う目標が見えてくるはずだ。

取り出し型に関する嫉妬と競争激化問題

全体的には、「うきこぼれっこのために予算を取りに行くぞ!」というところまで、よくぞ頑張ってくれた!素晴らしい!という気持ちでいっぱいの私だが、心配があるとすれば、学校側というよりは、周囲の(とりわけ保護者の)嫉妬や、無意味な競争心による競争の激化だ。

日本の社会の中では、まだまだ嫉妬心とか心構えしておいた方が良さそうだ。
誰が被害を被るかというと、やはり浮きこぼれている子どもたち本人だろう。
特に繊細な子であれば、嫉妬されたり目立ったりすることに居心地の悪さを感じ、結局爪を隠す鷹に戻ってしまうのではないか。

そこら辺は、学校側でしっかり対策を考えてほしい。
問題が起こってから対応するのではなく、ダイバーシティという風潮づくりを、地道に、愛情深く、教員側にも保護者側にも、作り上げていってほしいなあ、と思う。

それぞれに最適な深度や深さの学びが、最適な形で、全ての子どもに与えられる。
全てのレベルにおいて、だ。

そんな当たり前のことが、学びを楽しみ尽くすべき子どもたちの権利として、教育現場に根付くことを、心から願う!

にほんブログ村 子育てブログ ギフテッドチャイルド育児へ
にほんブログ村



普段の呟きは、Twitterやってます。
こちら→
I’m your head


うちの息子、こんな子です😊
絵本を作ったので、よろしければ読んでレビューなど書いていただけますと、似たようなお子様をお持ちで悩んでいる保護者の方に届きやすくなるかと思います。
(Kindle Unlimitedにも入っています)

タイトルとURLをコピーしました