原始反射と発達障害:1(緊張生迷路反射)

発達凸凹
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OT(作業療法士)さんから送られてきた、センサリーアセスメント(感覚検査)のレポートに、Premitive Reflection(原始反射)という項目があった。5種類の原始反射項目があり、長男はそのうちの2つが「統合されていない」と書かれていた。
原始反射ってなんだっけ???どこかで聞いたような覚えはあったが、発達障害とのつながりを聞くのは初めてだったので、早速調べてみた。
実ははじめ、ピンと来なくて「うちの子とは関係ないんじゃ…」と思ったものだったが、調べてみると意外と深く関連してそうなので、「なんか不器用」「なんか姿勢悪い」「なんか歩き方が独特」と感じていたら、是非とも調べてみることをお勧めします。

原始反射(primitive reflexes)とは

胎内もしくは新生児期に発生して消えていく(統合されていく)様々な身体の反射のこと。
モロー反射とか、そういえば聞いたなあ。検診でチェックされていたあれか。あれです。

胎内から出てくるときや、産まれてすぐの成長のために、体が本能的に持っている反射。「反射」なので、何も学習していない状態でも、条件が起こると体が「勝手に動く」という動きのこと。
本来は、成長に伴って他の運動や反射に統合されていく(=消えていく)はずなのだけど、大人になっても統合されないケースもまあまああって、軽ければ、ちょっと不自由な程度で普通に生きていけるらしい。

しかし原始反射は、人間が生まれてから成長の過程で発達を遂げていくにあたり、その土台部分に当たるものなので、この土台部分が統合されていないと、その上にどれだけ訓練をしていっても、積み上がらないのだそう。
例えば、うつ伏せで上半身を起こすためにどんなに背筋を鍛えようとしても、反射が残っているために体は勝手に丸くなろうとしてしまい、筋トレが体に入っていかない、みたいなもの。

長男が引っかかっていたのは以下の2つ。
・緊張性迷路反射(Tonic Labyrinthine Reflex )
・脊椎ギャラント反射(Spinal Galant Reflex:)
全く聞き覚えのないこの二つの言葉。でも、調べてみると色々と面白いこともわかってきた。

日本ではあまりメジャーではないアプローチ?

全幅の信頼をおく(?)Google先生に頼ってみたものの、発達障害と原始反射の関連性について、日本語の情報は驚くほど少なかった。(私のリサーチ能力の限界によるものかも)
多くの情報は新生児の発達=反射の出現に関するもの。
発達障害児のための療育をする機関のホームページや整体師さんの動画がさらりとある程度。原始反射と発達障害に関する書籍もAmazonで1冊見つけたけれど、レビューが微妙であったので、未読のままだ。OTさんのサイト関連、療育(発達障害のみでなく、脳性麻痺など重度の身体障害などでも)で触れられているものあり。
SNSでは整体師さんの発信がいくつかみられた。統合するためのエクササイズなどがあるから、努力で人為的に統合されることも可能なようだ。
「回数チケットみたいなものなので、この反射をたくさん繰り返して使い切ると、次の段階に進める。だからこの反射を何度もエクササイズで繰り返すことで、統合が進んでいく。」
と言っているyoutubeも見た。それが本当なら、今からでも十分キャッチアップできるってことかもしれない?
英語でリサーチをすると、もう少し色々と出てくるので、もしかして日本ではまだ広まっていない考え方なのかな?

今回の記事では、長男に残存していた2つの反射のうち、緊張生迷路反射について、調べたことを書いていく。

緊張性迷路反射(Tonic Labyrinthine Reflex )

緊張性迷路反射とは、仰向けに寝ると手足や背中がピンと伸び、うつ伏せにすると上半身がまあるく縮こまる、という反射だ。胎児期後期から出現し、通常は生後5〜6ヶ月で統合されていく。
これが統合された赤ちゃんは、うつ伏せにすれば腕をピンと伸ばし、首をもたげ、はいはいをしようとする。
耳の奥にある迷路という器官で重力の方向を察知して起こる反射なのだそうだ。
これが統合される時期の発達ステージをあまりに素早く通り過ぎてしまうと、統合されることなくきてしまうという。

そういえば、長男はハイハイの期間がとても短く、つかまり立ちが出来たのが早かったため、移動にはもっぱら伝い歩きをすることが多かったなと思い出した。ハイハイをしない子は上半身が弱くなると聞き、もう少し大きくなったら手押し車(大人が両足を抱え、子どもが手で前進する遊び)をたくさんさせよう、などとぼんやり思っていたのだが、今の今まですっかり忘れていた!

統合されていない場合の症状

これが残存していると、下記の症状が出るという。

  • ものごとを整理するのが苦手
  • 出来事を順序立てて説明するのが苦手
  • 順序建てるのが苦手なので、算数が苦手
  • 順序立てるのが苦手なので、スケジュール管理が苦手
  • アナログ時計を読むのが苦手
  • 時間に関係する言葉(昨日や明日)をよく間違える
  • 腕や足がとても細い
  • 筋緊張が弱い
  • 椅子にだらしなく座り込むのが快適
  • 腹這いになって本を読んだりテレビを見たりするのが苦手
  • 姿勢が悪い
  • バランス感覚が悪くてスポーツが苦手
  • 遠くと近くに素早く視線を移せないので、学校で板書を写すのが難しい
  • 空間認識が弱く、距離感が測れずに人やものによくぶつかる
  • 空間認識が弱く、人と話すときに近づきすぎる
  • ノートに文章を書いたり、ポスターに文字を配置する時にバランスが取れない

などなど。

長男の場合、順序立てて云々は苦手に思えないけど、もしかしてギフテッド特性で力技でカバーしている可能性もある。(なぜなら、算数の計算の仕方とか、よくよく聞くと、数字で考えていなくて脳内で完全視覚化ブロック化しているからだ)
手足がひょろっと細い、バランス悪い、スポーツ苦手、球技苦手(空振りめっちゃ多い)、何もないところでよく転ぶ、話すときに顔が近い、など、すごく当てはまる。
あと、尋常ではない乗り物酔いがある(車で5分の小学校に行くのにも時々酔うし、車で20分のスキー場に行く途中では盛大に吐いたりした)のだが、これももしかして、バランス感覚の悪さや、遠くと近くを交互に見るのが苦手なせいなのかもしれない、と思う。
せめてこの乗り物酔いだけでも、辛そうなので軽減させてあげたい。

統合するためのエクササイズ

上記を見て「えー!やばい当てはまる!えーん!」と思っても、慌てないでいただきたい。なぜなら専門家の多くが、原始反射は大人になってからでもエクササイズで統合することが可能、と言っているからだ。しかも、早ければ30日、長くても6ヶ月で変化が見られるでしょうと書いてあった。
上記の言葉の信憑性についての考察はこの際置いておいて、寝る前のほんの少しの時間、30日間でどんな変化が見られるのか、やってみて損はないと、私たち夫婦は判断した。

以下、我が家が現在行っているエクササイズ(前半)。
(後半については次の記事にて)

・スーパーマン(腹這いになり両手両足をピンと伸ばす)
・ポップコーン(仰向けになり膝を抱えて丸くなる)
・イーグル(スーパーマンの姿勢から両手両足を大きく開く)

これらを各20秒。本当は5セットと書かれていたので、これから少しずつ増やしていく予定だ。

発達障害児だと、こういった毎晩のエクササイズは難しい子も多いと思う。我が家もできる気があまりしていなかった。が、「表を作って毎日自分でチェックを書き入れるようにする」「お風呂の後のエクササイズの時間は必ず弟をわきに置いて長男ひとりに集中するようにする」の2点で俄然やる気を持ったようで、今のところ積極的に頑張ってくれている。
一応30days チャレンジ!ということになっているので、期間限定チャレンジのスペシャル感も手伝っているかも。

変化が見えたらまたブログに書きまーす。

詳細の分かりやすい英語のサイト

この記事を書くために少しリサーチしたのだけれど、日本語の情報が少なかったので、英語のサイトを参考にしている。
以下、メインで参考にしたサイト。エクササイズ動画は、言語関係なく役立つかも。

文字で読みたい人
Integrating Tonic Labyrinthine Reflex: An exercise for children with learning disabilities

説明youtube by Kathy Johnson,
Tonic Labyrinthine Reflex

エクササイズの分かりやすい動画
TLR Assessment and Exercises | Tonic Labyrinthine Reflex | Primitive Reflexes

息子はまさにこの動画の通り、スーパーマンの時に膝がくるりんと曲がっていた!

原始反射について、アメリカのOTさん miss Jaimie OT
WHAT DO RETAINED PRIMITIVE REFLEXES LOOK LIKE?

統合されていない場合の歩き方など、分かりやすい動画がいくつかあるよ



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座って行う作業(食事・学習など)の時に、椅子の足にセラピーバンドをつけるのも、OTさんに勧められました。
発達障害専用のものなども売られていますが、ニュージーランドではモノのチョイスが少ないので、近所のKmartにて、トレーニング用のゴムバンドを買ってきて代用しています。これで十分!
多動がおさまったかと聞かれると微妙な気もしますが、次男もビヨンビヨンしたがるので、あちこちの椅子につけて楽しんでます。
薄ーいゴム製のはすぐに破れてしまったので、布製のしっかり目のものがおすすめです。椅子のサイズに合わせて。
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