宿題と学力って関係あるの?

NZ教育
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帰国にあたり、日本の学校で不安な点はいくつもあるけれど、そのひとつが宿題。
如何せん、ここニュージーランドでは基本的に宿題というものがないのだ。
うちの息子が、日本に住んだ途端、帰宅してすぐにサクサクと宿題をやり上げるタイプになるとは、とても思えない。
と言うわけで、宿題って本当に必要なの???と不思議で仕方ないので、ちょっと調べてみた。

ニュージーランドの小学校には宿題がない

これはNZ在住の人々からよく聞く話なので、うちの学校だけではないと思うのだが、小学生に宿題はない。(そしてテストもない)
学校の勉強についていけなくて、本人や保護者が心配している場合、担任と相談の上課題を出すこともあるようだけれど、学校の勉強は学校で済ませよう、というのが考え方。
「子どもの脳は、楽しんでいる間に最も多くのことを吸収するので、プレッシャーをかけて楽しいと思えなくなるのは逆効果だ」という考えが根本にある。
なので、日々の予襲復讐はもちろんのこと、年間で合計12週間(3ヶ月!)になるスクールホリデー中も、宿題はゼロだ!
我が家の場合、まだyear2なので、宿題がないこと自体には不安等は全くない。
もう少し大きくなった時点、例えば中学や高校で日本に帰国するとなると、周囲との違いや入学できる学校を探すにあたって、不安を感じるのかもしれないけれど。

今の生活では、3時過ぎに学校から帰宅、おやつを食べて、少しYouTubeを見てポケカで遊んでいたら、もう夕飯(5時半)だ。食事をしてお風呂に入って寝る準備ができる頃には7時になり、寝る時間まではパパママと遊ぶ時間。7時半と8時の間にはベッドに入り、8時過ぎくらいには寝ている。
平日はスイミングに行く日と、サッカーの日があるので、実質、夕飯前に遊ぶ時間があるのは週に3日だ。
土日には「退屈退屈退屈…」と私をうざがらせる天才なんだが、平日は遊ぶ時間確保に忙しくて、宿題する時間なんか作れる気がしない。

日本の子どもたち、一体いつ宿題してるのだろう…。

宿題がないと荷物が軽い

帰国にあたって
「そうか、ランドセル買わなきゃねー。ランドセル、可愛いんだよね、ウキウキ。」
と初めは思っていたけど、よく考えたらあれ、確か相当重いよね。
そうだそうだ、日本の学校は大量の教科書を毎日持ち歩くのであった!嘘でしょ!

ニュージーランドの場合、そもそも教科書というものがなくて(これに関しては、私は個人的にイマイチな気がしている。なんか、全体像が見えないのが気持ち悪い)、バックパックに入っているのは基本的にはランチボックスと水筒くらい。
それからブックバッグという袋が入っていて、ノートやプリント、図書室で借りた本などは傷まないようにそこに入れて運ぶようになっている。
ブックバッグは防水になっているので、バックパックの中身のメインがランチボックスであることや、ほとんどの子が雨降っても傘ささないことなど考えると、よく出来てんな、と感心する。

初めは教科書ないから軽くて良いな、と思っていたけれど、よく考えたらそもそも宿題がないから教科書を持ち歩く必要がないのだ。
学校に置いておけば良いもんね!
とりわけ低学年は、まだまだ小さい体。
しかも日本では親の送迎もないから、よちよち歩きながらあれを1キロの距離とか持って歩く子もいるわけで。
ほんと不要な修行よなと思う。

世界のスタンダードは?

フィンランドで宿題をやめてみたら生徒の学力が上がった!というような衝撃的な記事を読んだのは何年前だったか。
調べてみると、こんな記事を見つけた。
この記事をみると、宿題がない、というそのことだけでなく、教育のみでなく食事や学用品までしっかりと補償されるような「子どものための福祉」、育児を徹底的にサポートしてくれる「親のための福祉」がものすごく充実しているところに肝があるなと思う。

この記事を読んだら、フィンランドの教育環境が素晴らしすぎて、もう次はフィンランドに移住を!とさえ思ってしまうけど、これだけ手厚いってことは税率もかなり分厚い(?)ようだし、寒いエリアからはもう脱出したいのだ。
(南極近辺から北極近辺に移住とか、嫌だ…)

また、フランスではなんと1956年から宿題が禁止されているのだとか!(こちらの記事より)
教育の不平等を是正するためや、教師の採点の負担を減らすため(!)に作られた法律であるものの、宿題を出さないと親が不安になって学校に苦情を言うため、実質的には宿題が出ていると言うのを読んで、妙に納得。

やはり、フィンランドの宿題なしが成功しているのは、それが他のあらゆる手厚い福祉の方針の中に柔らかく包括されているからなのだ。

それを思うと、最近話題になっていた「宿題は無意味」説が、実は間違っていると言われるのも頷ける。
こちらの記事『小中学生の宿題は無意味!という論文は、本当?ウソ?』を読んで、妙に納得したのが、

宿題には意味がある。
しかし、量とレベルが適切な場合のみ。

と言うのは、本当に納得だ。

宿題が嫌なわけではないのだ。
簡単すぎたり難しすぎたりする宿題が、考える時間さえ奪われるほど大量に出されたら、そりゃあ楽しくないし、楽しくないから頭に入ってこないわけだ。
本来、ほとんどの子供は、量とレベルが適切であれば、新しい物事を学び吸収するのを楽しいと感じる気がする。

OECD諸国の学力調査(PISA)

ちなみに、各国の教育方針と実際の学力を比較するときによく引き合いにされるのがPISAなので、最新の結果をここに貼っておく。
本来は2021年に行われるはずだった調査が、コロナのため2022年に延期となり、その結果がまだ出ていないので最新が2018年とちょっと古いが、興味深い。

日本はさすが数学と科学が1位と2位だ。
宿題の効果かな?
とか言っちゃってみるが、いや、教育熱心な親御さんたちと、公文をはじめとする民間の優秀な塾のおかげでしょう。
そして、読解力がトップクラスとはいえ、他の分野と比べると低めなのもなんとなく納得、と思うのは、私だけだろうか。

宿題もテストもなく、授業日数も少ないのないフィンランドは3位11位3位でやはり優秀だ。
これは、国ぐるみで徹底的に教育に力を入れていることの勝利な気がする。

宿題を出さないと苦情がくるほど教育熱心な親が多い(?)はずのフランスは、18、20、19と、割と低めにいるのだな。

やはり宿題なし、テストなし、外遊び多め、のニュージーランドは8位、圏外(順位気になる)、9位と、ゆるゆるな割には検討していると思う。
算数については、みんなのんびりしているなーというのは、既に体感にあるので至極納得。
しかし、算数だけちょっと親が頑張っておけば、読解力と科学はあのゆるさでもこのレベルにいける、と思うと、ニュージーランド全然悪くないよ、と思うのは、私だけではないはずだ。

個人的には、IT国家エストニアがこんなに頑張っているのがあっぱれで、応援しています!

しかし、コロナで学びが停滞したこの2年間。
もしかして変化が起きているかもしれない。
次の結果が出るのがすごく楽しみなので、次の結果が出たら、PISAにのみフォーカスした記事も書きたいな。

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